それぞれの“きっかけ”に出逢える場所。|脇谷 茉実
様々なきっかけに出逢うことで、自分の世界が広がったり、1歩を踏み出すことができると思います。そんなきっかけに出逢える場を共に創れるように、1人1人と向き合う中で小さな変化やちょっとした気付きを大切にしていきたいです。
ワークスタイルのコーナーではSDWsのコーナーでは各クルーがどんな仕事内容を担当しているのか、またどんなキャリアパスを経てここで働いているのかを紹介しています。
脇谷 茉実のキャリアパス
佛教大学 社会福祉学部社会福祉学科 卒業 | |
社会福祉士 資格取得 | |
精神障害者 生活介護事業 生活支援員 | |
2019 | ソーシャルデザインワークス 入社 |
西宮店 ソーシャルスクエア配属 |
▼障害福祉の分野に足を踏み入れたのは、どんな思いからですか?
子供の頃から何になりたいとかはなく、「優しい人になりたい」って漠然とずっと思っていて。卒業文集に「障害という言葉がなくなればいい」とか「世界のみんなが平和になればいい」とか、ちょっと偽善者っぽいことを普通に言っちゃうようなところがあったんです(笑)昔から24時間テレビや障害がある人が書いた本を読むのが結構好きで、関心がありました。父が社会福祉協議会で働いていたことがあるんですけど、私が小・中学生の時に父に誘われて夏休みのボランティアに参加するようになったんですね。それが結構楽しくて。多分褒められたい気持ちが強かったんだと思うんですけど、喜んでもらえるのが嬉しくて街の活動やボランティアにめっちゃ積極的に行くような子でした。そういうのがきっかけになって、「自分は福祉に進むんや」って自然に決めていました。
障害福祉に進むと最初は決めていなくて、もともとはまちづくりや地域福祉の分野に行きたかったんです。机に座って事務作業をしているよりは、実際に自分が体を動かして、いろんな人と話をするような仕事がしたいなと思っていました。それで自転車屋さんのようにレンタサイクルで町おこししたいなって考えていたんですけど、なかなかそういう就職先もなくて。そんな時ちょうど「精神障害の人への生活介護事業を立ち上げるから来えへん?」って声をかけてもらったんです。精神保健福祉士の資格も持っていないし、精神障害について学んだことも関わったこともなかったので、私のなかでは精神障害の人ってコミュニケーションを取りづらいイメージがあったんですが、見学に行ったときに自分が思っていたイメージとは全然違って、すごくあたたかくて優しい人たちだったんです。実際に働いてみて、自分の中で精神障害の人のイメージが変わりました。みんな結構普通だったというか、私と変わらないなって。おっちゃんおばちゃんが多かったんですけど、めっちゃ優しくて受け入れてくれてる感がすごくあったので、こういうところだったら私も働けるかなと思って続けてきました。ありのままの自分で働くことができました。その生活介護事業で7年働いて、そのあと1年だけ高齢者のヘルパーをやって、今に至るって感じです。
▼今の仕事内容を教えてください
自立訓練の支援を担当しています。自立訓練は、基本的には生活リズムを整えたり、外に出るきっかけとなるところで、例えば引きこもっている人であったりとか、家に居場所がなくて外とのつながりをもちたい人が訓練するために来るところです。日々その業務にあたって、メンバー(利用者)さんの対応をしています。
▼転職先としてSDWs(ソーシャルデザインワークス)を選んだ理由を教えてください
一番は、ごちゃまぜのまちづくりっていうコンセプトが大きかったです。障害福祉についてはずっと関わってきてるので、いいなあという感じだったんですけど、それプラスずっとしたかったまちづくりもできるってなると、すごくいいなって思って選びました。「ごちゃまぜのまちづくり」というのを掲げている事業所が他にあまりなかったので新鮮で、直感で申し込みました。私がやりたいのが、障害の人だけという括りの事業所ではなくて、地域の人たちが入ってこられるところを作りたいなと思っていて。障害者とか、高齢者とか、子供とか、あまり垣根なくみんなが集えるような場所が理想だなと思っていました。まさにSDWsのごちゃまぜの世界観と一致したんですよね。
▼実際に就職してどうでしたか?
地域の様々な人と繋がるには日頃の関わりが重要だと思っていて、地域の人との関係性の中でスクエアを活かせているのかなと思います。西宮店って建物がガラス張りで、いろんな人が行き交うのが見えるんです。見えない閉ざされた空間じゃなくて、思いっきり見えていることでいろんな人と繋がりやすい環境なのが大きいなと感じています。あとは、西宮店があるビルの中に児童デイとか保育所が入っているんですね。そこのお母さんとかが送迎の時にガラス越しに見えて、子供に手を振って仲良くなって関係性ができたりとか、そういうのが堂々とできるのがいいんです。今はイベントが全然できないんですけど、西宮店で「ふらっとスクエア」っていう地域向けのイベントをやっていた時は、そこの保育所のお母さんにワークショップをしてもらったりとか、地域で繋がった人にイベントをやってもらったりとかしていたんです。
今後はもっといろんな人が出入りできたらいいなと思っています。福祉と全然関わりのなかった人が、偶然ここに出会って、その人にとっての何かきっかけになったら嬉しいです。人と福祉、人と人を繋げる場所にできたら嬉しいです。
▼この仕事の面白さは何ですか?
「正解がないことを面白がる」ということですかね。答えがないので、関係性を作ったり、色々アクションを起こしてみたり、そういう過程とその中で見えてくるものあって面白いです。支援ってそこを面白いと思えないと続かないんだろうなって思うんです。すぐ答えが欲しかったりとか、この方法なら絶対上手くいくっていうのが欲しい人ってしんどいんじゃないかなって。上手くいかないことばっかりだし、イライラすることもあるし。でも意外な方法でうまくいく時もあるので、そうやってわからないことがおもしろいですね。。
それから、スクエアにはいろんな視点をもった人が通ってきているので、発見がある毎日がおもろいなあって思います。「そんなこと言うんや」とか、「そんな反応するんや」とか、おもろいじゃないですか。あとは、人が変わっていく過程が見られたりするので、そこも面白いですね。ちょっと笑顔が増えたなとか、この人結構発言が増えたなとか、そういうのを見れるのはやっぱりいいですよね。
勤務の1日の流れ
脇谷 茉実(わきたに・まみ)
SOCIAL SQUARE 西宮店
スクエアクルー/社会福祉士
1989年生まれ。和歌山県出身。大学では障害福祉、地域福祉専攻。
学生時代に関わった限界集落の活性化プロジェクトや、精神障害の方とともに立ち上げた市民団体『ほほ笑みの街プロジェクト』がきっかけで、施設の中でとどまらない地域住民を巻き込んだ支援やまちづくりに関心を持つ。様々な人が暮らす地域の魅力を発掘しつつ、人と人が関わることで生まれる人と場の可能性を、日々探求しています。好きなことは、お気に入りのカフェを探すこと、サイクリング、散歩。